KDDIが船上基地局を実用化へ、商用電波で試験

KDDIは、2016年度から商用電波を用いた船舶型基地局の訓練を実施します。災害発生に備えた訓練で、関連法案の改正によって実現することになったのです。これまでも実証実験は行なわれてきたのですが、商用電波で試験することで、実際の災害を想定した訓練ができるようになりました。船舶型基地局は、大規模な災害発生時、陸上の基地局が利用できない状況であっても、海上から電波を発射して沿岸部でサービスエリアを作り上げるのです。2011年の東日本大震災では、津波などの影響もあって道路が寸断されて、光ケーブルが切断され、陸路での基地局復旧が難しかったとのことで、KDDIでは船舶型基地局の実用化に向けて実験を行なうなど開発を進めてきました。KDDIは、2016年3月11日の関連法令改正を受け、これまでの陸上における車載型基地局の訓練に加え、船舶型基地局の訓練を2016年度以降実施していきます。今回の法令改正によって、これまでの実証実験とは異なり、商用の携帯電話の電波による試験を行うことで、実際の災害を想定した訓練が可能となるのです。船舶型基地局は、災害時等における携帯電話エリアの復旧を目的とした無線基地局で、早期のエリア復旧によって、災害時の救助・復興活動における連絡手段の確保に貢献できます。

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